第20回 酒蔵が作ったビールを世界に! 「世嬉の一酒造」インタビュー

「地方創生『食の魅力』発見商談会に2017」に出展される、「世嬉の一酒造株式会社」の佐藤航代表に、商品へのこだわり、今後の展望についてお伺いしてきました。

◆貴社について教えてください。

明治時代からあった酒蔵を、1918年(大正7年)に曾祖父が買い取ったことから始まりました。

設立当初、横屋酒造といわれた蔵に、皇族閑院の宮様が訪れ『世の人々が嬉しくなる一番の酒造りを目指せ』という意味を込めて「世嬉の一」という名前をいただいたことがきっかけで、1957年(昭和32年)に今の社名になりました。

酒蔵としては歴史が浅く、来年で100年を迎えます。
現存する蔵は国の重要文化財に指定されています。

大正8年の創業時から使われた仕込桶

◆商品について教えてください。

地域の産品を使ったクラフトビールを作っています。

日本酒は、定番酒は勿論のこと、長期熟成古酒に挑戦しています。奥羽山脈より湧き出る地下水と、厳選された酒米を吟醸酒造りに定評がある南部杜氏の技でつくっています。

元々は日本酒だけだったのですが、地ビールブームの波をうけ、1995年に「いわて蔵ビール」を立ち上げました。

私が大学で醸造を学んでいたこともあり、入社当時はビール醸造ばかりをやっていました。醸造から販売まで当時は一人でやっていたのですが、現在売上の半分を占める程になりました。

今後は、地域の文化にあわせて、ビールを作っていきたいと考えています。
「ドイツ」や「イギリス」の手法ではなく、“酒蔵”が作っているビールとしてPRしていきたいです。

<三陸牡蠣のスタウト(オイスタースタウト)>

19世紀にイギリスで開発された黒ビールの製法で作っています。
隣町の陸前高田の牡蠣を使用しており、新鮮で活きのいい牡蠣が手に入るので、より美味しいビールの醸造が可能になりました。
また、牡蠣の殻は醗酵を促進し、牡蠣の身は黒ビールにコクが生まれます。

ワールドビアカップにおいて2008年に銀賞を受賞しました。

<ジャパニーズスパイスエール山椒>

日本らしいビールってなんだろう? から開発したビールです。

日本の2大香辛料の1つの「山椒」を、ホップの代わりに一部使用しています。
山椒の実は、地元一関産のものを使用しています。

ワールドビアアワードアジア部門において2013年、2014年に連続で金賞を受賞しました。

また、2019年のラグビーワールドカップでは、釜石の花ハマユリから採取した酵母を使用したビール「はまゆりエール」をPRしていきたいと思っています。
震災の津波に耐えて自生し続けるハマユリから採取したもので、釜石の元気と復興への思いがビールに込められています。

その他にも、りんごやお米、お茶など岩手に関わらず、地域の産品を使ったオリジナルのクラフトビールも作っています。

◆今後の展望を教えてください。

ビールであれば、クラフトビールの本場である「ニューヨーク」や「ロンドン」の本場の人に飲んでもらえるビールを目指しています。

日本酒であれば、将来的には洋食にもあうような日本酒や、新しいスタイルの日本酒を作りたいと思っています。

商品を県外や海外に出して、岩手県に興味を持ってもらい、地元に来てもらい、交流人口を増やしていきたいと考えています。

また、酒蔵に併設しているレストランでは、郷土料理の「お餅」と「はっと」をご提供しています。
最近では、ナノテクノロジーを使って作った、解凍してもつきたての柔らかさの冷凍餅を開発しました。冷凍では他にない、米100パーセントのお餅で、海外にも輸出しています。
おかげ様で評判はとても良いです。

将来的には寿司(sushi)のように、お餅も海外で「mochi」と言われるくらい普及させたいですね。


世嬉の一酒造株式会社( http://sekinoichi.co.jp/
所在地:〒021-0885 岩手県一関市田村町5番42号
TEL:0191-21-1144
FAX:0191-21-1143
代表者:佐藤 航