青森県 三村知事 インタビュー

青森県 三村知事にお話を伺いました。

澁谷:三村知事が出版社を退職され、政治家を目指された理由をお聞かせください。

知事:目指したわけではないのですが、自ずとそうなりました。
出版社時代、大分県の元知事である平松さんの本を作るために一緒に仕事をさせていただいていて、平松さんから「ふるさとを守れ」とずっと教えを受けていたこともあり、地元に戻り働いていたのですが、町長が急に亡くなり、周りからの推薦もあって、平成4年に35歳で町長になりました。保健・医療・福祉を一体的に提供するといった新しいことに取り組んだり、私の町は米作に向かない地域で、農家は米だけでは食べていけませんでしたので、米から、キャベツやながいも、にんにく、にんじんといった畑作、おっぱいイチゴ(甘く美味しくて、赤ちゃんがお乳を吸うように安心して食べられる)やトルコギキョウなどの園芸へ切り替えたりしました。基幹産業である農林水産業で町を元気にしたい、とにかく自分の町を元気にしたいいでした。

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澁谷:衆議院議員を経て、青森の県政を担おうと思われた理由をお聞かせください。

知事:町や村が元気になれば日本が元気になる、地方の声や現場の本当の声をきっちりと国会で伝えたいという思いで仕事をしていたのですが、青森県を助けてくれと言われ、厳しい状況の中で青森県知事になりました。
苦しい時は得意分野を徹底して伸ばすことだと思いました。それが青森県の場合は農林水産業。販路をきちんと整えて、良いものを出荷すれば、きちんと収益をもたらしてくれる。それで経済をまわそう、元気を作っていこうと思いました。経済に元気が出てくれば人も帰ってくる。青森県は新規就農者と若い農業者が多いんですよ。

澁谷:青森県は豊かな自然に恵まれ、大間のマグロをはじめ、日本一のりんご、ごぼう、にんに、また、青森シャモロック、八戸前沖さば、風間浦鮟鱇など豊富な農林水産資源が様々ありますが、青森県の農水産品の特徴をお聞かせください。

知事:青森県は、カロリーベースの食料自給率が118パーセントと全国第4位(いずれも平成25年度概算値)で、野菜、果実、畜産物、水産物の生産バランスがとれた食料供給県なのですが、これを支える「きれいな水」や「健康な土」などの恵まれた生産基盤があり、元気ある若手農業者が育っているということが、本県の強みだと思っています。知事に就任してから、徹底して「水・土・人づくり」に取り組んできました。

澁谷:昨年、お米の新品種「青天の霹靂」がデビューしましたね。

知事:はい、本県初の特A評価を取得し、鮮烈なデビューを果たすことができました。特A評価を頂いたと連絡を受けたときは、本当にうれしかったです。「青天の霹靂」は、さっぱりしているのに、甘みと旨みが後をひきます。おかずを選ばない頼もしさがあります。まさに食材の宝庫青森県にふさわしいお米です。様々な青森食材とあわせて食べてみていただきたいと思います。IMG_1347

澁谷:確かに、海の幸に山の幸、青森県には美味しいものがたくさんありますね。それらの豊富な農水産品を国内外へ発信する取組についてお聞かせください。

知事:農林水産業を元気にし、本県の元気につなげるんだという強い思いがありましたので、平成16年度にいち早く消費者視点に立った販売重視の「攻めの農林水作業」を打ち出し、農林水産部に「総合販売戦略課」をつくり、そのための基本的な戦略も策定して、モノを売る体制を整えました。そして、消費者が求める安全・安心で良質な農林水産物やその加工品を生産し強力に売り込んできました。
例えば、私自らが青森県のセールスマンとして大手量販店等に出向き、生産者と共に青森県産品の魅力を伝えるということをしています。26年度は国内外で40回ほど経営トップと直接お話をさせていただき、良きパートナーとして信頼関係を構築してきました。
また、県と民間企業の連携により実現した新輸送サービス「エープレミアム」を活用すれば、高鮮度農水産物の西日本への翌日配達が可能となります。香港・台湾・シンガポールなどへも最短で翌日配達ができますので、付加価値を高めた新鮮な青森食材をアジア圏へお届けできるようになっています。この「エープレミアム」を利用して輸出された県水産物とあおもり米「まっしぐら」を組み合わせたオリジナルメニューを提供する「あおもりフェア」を、香港最大手の外食チェーン店において開催するなど、新たな取組を始めたところです。

澁谷:仕事をする上での信頼関係は大事ですよね。ところで、こちらの商品は何ですか?

知事:「できるだし」です。現在、県では、だしのうまみを活用して減塩する「だし活」に取り組んでいます。青森県には、だしの出る美味しい食材がたくさんありますので、それらの食材の未利用、低利用の部分を活用した「だし商品」として誕生したのが、この「できるだし」です。忙しい方でも手軽にだしを使うことができるから便利ですよ。
青森県の人はしょっぱいものが好きで、塩分を取り過ぎることもあって、残念ながら短命県と言われています。だしによる減塩食習慣の普及啓発のほか、野菜の摂取量増加や県産品を活用して食生活改善を進める「あおもり食命人」の活動により、健康寿命の延伸を図っています。

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澁谷:「だし活」は、まさに一石二鳥の取組ですね。
ところで、国を挙げて取り組んでいる「地方創生」について、青森県としての取り組み、知事のお考えをお聞かせください。

知事:人口減少への対応は本県が直面する最重要課題だと以前から考えていましたので、平成18年度から人口減少社会への対応のための検討・取組を進めてきていました。人口減少を克服し、将来も持続可能な青森県を実現するためには、こうした課題を、むしろ伸びしろの大きいチャンスと捉え、果敢にチャレンジし、未来をより良い方向にチェンジしていくことが何よりも重要だと考えています。
県では、これまでも、本県の得意分野を生かした「攻めの農林水産業」や農山漁村での「地域経営」の推進、青森ライフイノベーション戦略など、県民の生業(なりわい)と生活を守る取組を進め、着実に成果を上げてきましたし、平成26年度からは、「人口減少克服」「健康長寿県」「食でとことん」の3つの戦略プロジェクトに特に重点的に取り組んでいます。
また、昨年8月、東日本では最も早く「まち・ひと・しごと創生青森県総合戦略」を策定して、社会減対策、自然減対策それぞれに政策の柱を設定し、人口減少克服に向けた取組を加速しています。人口減少は、一朝一夕には解決できない、非常に大きな課題ですが、人口減少克服の道は、県民の皆さんの幸せの増加につながる道だと思っています。県民の皆さんと一緒に、「未来を変える」という強い意志を持って、戦略的にチャレンジしていきたいと考えています。

澁谷:ありがとうございます。最後に締めのひとことお願いします。

知事:3月26日、北海道新幹線がいよいよ開業し、県と北海道道南地域が約一時間で結ばれ、歴史的・文化的につながりの深い両地域が一つの旅行エリアとなります。津軽海峡をはさんだ青函地域の魅力を全国に発信していく大きなチャンスだと考えています。それぞれの地域において、観光資源の磨き上げや受入体制の整備に一層精力的に取り組んでいくこととしていますので、この機会に是非とも青森県と道南地域、両地域を訪れていただければと思います。
そして、世界自然遺産白神山地などの豊かで美しい自然や、三内丸山遺跡を中心として世界遺産登録を目指す縄文遺跡群などの歴史的遺産、あおもりねぶた祭や津軽三味線に代表される独自の祭りや文化、雄大な自然が育んだ海の幸や山の幸といったあおもりの食など、魅力たっぷりの青森県をご堪能いただければと思います。
私たちは、豊かな四季と風土がはぐくんだ「美味しさ」をお届けすることを約束します。そして、県民性として受け継がれてきた「実直さ」「まじめさ」を最大限に生かし、お客様が青森県産だから選び、食べ、使い続けて満足していただける県産品をこれからもお届けします。