第4回 佐賀県の「元祖吉野屋」インタビュー

真面目に作って130年余年。元祖吉野屋の「白玉饅頭」

2015年に初めて「地方銀行フードセレクション」に出展された佐賀県の「元祖吉野屋」。
同社は明治15年から134年、饅頭屋を営んでいます。
現在ではカフェを併設し、地元で大人気のお店です。
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◆商品の特徴を教えてください。

「うるち米、あずき、砂糖食塩のみで仕上げた、無添加もちもちぷるぷる食感を召し上がってください」

店舗で売っている「白玉饅頭」は、当日中に召し上がっていただく、日持ちがしない商品です。
佐賀県の1店舗にのみで取り扱っており、地元のお客様からは「離れた娘に送りたいのだけれど…」などご要望をいただいていました。
しかし、この食感を召し上がっていただくには、店舗のみでの販売で、賞味期限も本日中にお召し上がりいただくしか、方法がありませんでした。

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今から10年前、お客様からのご要望にお応えするため、試行錯誤を重ね、作り立てを急速冷凍する技術を導入しました。
そうすることで、解凍しても、もちもちぷるぷるな食感が味わえるようになり、遠方のお客様にもお召し上がりいただけるようになりました。

◆地方銀行フードセレクションにご出展されたきっかけ

佐賀市の片江係長と佐賀銀行さんの熱意で、出展を決意しました。

この商品は、販路拡大というより、既存のお客様のために作っていました。
今まで商談会にも出たことがなく、「こんな小さな饅頭屋が出展する場所ではなく、大手の企業が出展する場所だ」と思っていたため、商談会の出展を検討したことすらありませんでした。

「地方銀行フードセレクション2015」の出展社募集時、佐賀銀行担当者の八田さんが佐賀市の片江係長に「良い事業者を知らないか?」と相談したところ、「吉野屋」を推薦して頂いたそうです。

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(佐賀市:片江係長)今回は佐賀市の支援事業を利用して出展できるよう、市と佐賀銀行、吉野屋さんの話し合いで決めました。佐賀市では、販路支援のお手伝いを佐賀銀行と一緒になって、やっております。今回地元で愛されている「吉野屋」様をご推薦させていただき、私たちにできることはないか?と考え、補助金の活用方法を練りに練りました。

今回は、展示会出展での販路支援はもちろん、小規模事業者がかかえる課題(商品作ることに集中しているため、営業・フォロー体制が整えられていない等)を解決することを目的に補助金を活用することにしました。

また、今回の吉野屋さんとの取組をきっかけに、佐賀市と地域の金融機関が一緒になって事業者を応援する仕組みを今年も作っていきたいと考えています。

地方銀行フードセレクションに出展されていかがでしたか?

銀行のフォローのおかげで、百貨店の催事や、駅ナカのショップ、通販等新しい出会いがたくさんありました。

開催前、銀行と共に展示ブースを考えたり、商談の仕方を一緒になって考えました。
小さいお店なので、人員も1名体制でした。
大きな会場で、心細かったのですが、佐賀銀行大和町支店の原岡さんにお手伝いしていただき、私より営業をしてくれて、引き合いも多くあり、大変心強かったです。

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2日目は、諸事情により参加ができなくなり、佐賀銀行の八田さんにご相談したところ、「わかりました!こちらは私たちで営業しますので、大丈夫ですよ」と言ってくださいました。
名刺等も交換していただき、PRをしてくださいました。
開催後、名刺交換したバイヤー全員にメールをお送りすることができました。
また、1つ1つの商談内容をメモに書いて教えていただいたので、判断しながら継続して商談をすることができました。
佐賀銀行さんには本当にご迷惑をおかけしましたが、親身になってお手伝いいただき、本当に良い機会になりました。
また、出展してみて、色々なバイヤーにご意見をいただき、商品自体の引き合いも多かったですが、今まで発想になかった「原料としてほしい」などのお話もあり、驚きました。

特に印象に残ったのは、百貨店の催事バイヤー様よりいただいたお言葉です。「最近奇をてらった商品が求められるが、最終的に残るのは、吉野屋さんのような、まじめに作り続けている商品だ」とおっしゃっていただいたことです。
この言葉を胸に、これからもまじめに、お客様に愛される「白玉饅頭」を作っていきたいと思います。


白玉饅頭元祖吉野屋

担当銀行:佐賀銀行
業務内容:白玉饅頭製造・販売・喫茶
本社所在地:〒840-0203 佐賀県佐賀市大和町大字梅野173
URL:http://yoshinoya-net.com/

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