第21回 餡が自慢の老舗和菓子屋「花園万頭」インタビュー

天保5年(1834年創業)の歴史ある老舗和菓子屋が今日まで愛され続ける秘密は、「餡」にありました。「花園万頭」の石川一弥社長に、花園万頭の歴史とこだわり、今後の展望についてお伺いしてきました。

■貴社について教えてください。

天保5年(1834年)に、石川県金沢市で「石川屋本舗」を創業。

明治39年に3代目が東京に進出しました。昭和5年近隣にある新宿の鎮守「花園神社」の名をとり、屋号を「花園万頭」に改めました。

 

■定番商品、おすすめ商品について教えてください。

定番商品は、日本一高い、日本一うまい「花園万頭」。

小判型の饅頭の由来は、江戸時代までさかのぼります。当時から、お饅頭というと上面が丸くふくらんだ半球型の大きなものが主流でしたが、女性が食べようと思うと口を大きく開けなくてはいけませんでした。おちょぼ口の女性が上品に食べるために形を改良して、小判型の饅頭になりました。この頃から、お客様視点、女性視点で商品を作っていたんです。

おすすめ商品は、「東京スイートポテあん」。

自慢のこし餡を包むように、なると金時のサツマイモの甘く素朴な味とバターの風味が口の中で広がりますよ。和と洋が見事に融合した新しい商品になります。大きさにもこだわり、「もう少し食べたい」くらいの大きさがポイントですね!若い方にも人気のある商品となっています。

 

■こだわりを教えてください。

粒選りの北海道産の小豆を使用して、餡や「ぬれ甘なつと」を作っています。

長年の味を守り続けるためには、ただ同じ作り方を守っていくだけではいけません。厳選した素材を使い、かつ安心、安全な和菓子を提供することです。自社では「いばらぎハサップ」の認証を取得しているので、自信をもって「手作りの味」を提供し続けることができます。

■甘味処「花園茶寮あんと」について教えてください。

手土産を買いに足を運んでくださるお客様に、気軽に和菓子を食べてもらいたい、楽しんでもらいたい、という思いから茶寮を始めました。

定番のまめかんをはじめ、夏季は「富士山天然かき氷」、冬季は「おしるこ」を提供しています。

「おしるこ」は言い換えてみれば、「ポタージュ」。カボチャを使った「おしるこ」は、甘くてクリーミーですよ。そこに雑穀の餅を入れることで、バランスのとれた「おしるこ」を楽しむことができます。今年11月には、新宿本店限定「たい焼き」を販売する予定ですので、ぜひ食べに来てください。

 

■今後の展望について教えてください。

伝統を守りながらも、時代にあわせて変化していきたいと思っています。

常に新しい商品開発を考えながら、試行錯誤を重ねています。

海外進出も検討しており、冷凍技術を高めて輸送し、現地で解凍するような商品展開も視野に入れています。歴史を紡いでいくために、次の一手を考え躍進していく和菓子屋でありたいです。

 

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株式会社花園万頭(http://www.tokyo-hanaman.co.jp/company/

代表取締役 石川一弥

東京都新宿区新宿5-16-15

TEL:03-3352-4651 FAX:03-3352-6425

 

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